脳梗塞リハビリ研究会

コミュニティ活動レポート

第1回 脳梗塞患者の「集い」

主催
脳梗塞リハビリ研究会
開催日
2015年5月23日(土)
場所
アルクル湊様
参加者
デイサービス「アルクル」様をご利用されている脳梗塞後遺症を抱えられた患者様と、ご家族、ケアマネージャー様

5月23日(木)、第1会脳梗塞患者の「集い」が催されました。

デイサービス「アルクル」様の施設をお借りし、施設に通われている5人の後遺症を抱える方々と、そのご家族やケアマネージャーの方にご参加いただきました。
言語聴覚士(ST)の脳梗塞の疾患に関するワンポイントアドバイスなどを聞きながら、患者のみなさんの体験をお互いに語り合う場となりました。

言語聴覚士の市毛先生より、自宅でもできるリハビリや生活上のワンポイントアドバイスなどのレクチャーがありました。

普段あまりご縁がなかった専門家からのレクチャーに、みなさん資料に目を通し熱心に説明に聞き入っていました。

1人ずつみなさんの体験についてお話いただきました。

脳梗塞になった経緯、病院で感じた気持ち、リハビリに取り組んでみて思ったことなど、おひとりおひとりの体験について語っていただき、その体験について、みなさまから感想やご意見などについて声があがりました。

同じデイサービスで日頃から一緒にトレーニングをされている仲ということもあり、和気あいあいとした雰囲気でした。

ご家族の方、ケアマネージャーの方も、患者様たちのやりとりについて真剣に聞き入っておられました。

ご本人たちの抱えているお気持ちに、改めて気付かされたこともあったかと思われます。

話しながら涙をこらきれなくなる場面もありましたが、みなさんでご自分の体験も交えながら互いに励まし合っておられました。

「泣ける場所が欲しかった」という言葉の重みに、参加者みなが頷いていました。

当日の様子を動画でご覧いただけます。

脳梗塞患者「集い」 言語聴覚士講義
脳梗塞患者「集い」 トークセッション①
脳梗塞患者「集い」 トークセッション②
脳梗塞患者「集い」 トークセッション③
脳梗塞患者「集い」 トークセッション④

ご参加いただいた方々からの声

藤井さん
今回は、既に知っている事が多かった。みんながどんなリハビリをしているのか知りたい。次回も参加したい。
富山さん
他の人の経験を聞くだけでも、勇気をもらえるし、頑張っている人を見れば、自分も頑張ろうと思える。そして自分の経験を話すことで、他の人に勇気を与えられるのは嬉しいことだと思う。今回のように同じ病気、障害を持った者同士の集まりを増やして欲しい。
髙木さん
初めは話すのが苦しかった。
他の人の話を聞くだけでも、自分が次のステップに行くための後押しになる。特に乗り越えた人のお話しからは勇気をもらえる。
参加者が個別にスタッフに話す情報などを、みんなで共有できるような場になるともっと良いなぁと思う。また自分の経験や思いを話すのはとても苦しい事。話易い場を提供してくれるのはありがたいが、ただ人の話を聞くという場でも良いと思う。
安心して話すことが出来る場所、ただ聞くだけで、しゃべらなくて良い場所として、集いを継続して欲しい。頑張って欲しい!

参加者の方から会に届いた手紙

ケアマネージャーF.Yさんのご感想

今回、会に参加し、皆さんから発せられたひとつひとつの言葉が実体験としての重みをもち心に響くものでした。病気により様々な経験をする機会を奪われ、自信喪失・無力感・孤独感・不安感などの精神的苦悩を今まで自分はどれだけ理解していたのだろうかと考えさせられることが多々ありました。
自分の辛かった体験や心の傷を安心して話せて自分の感情を吐き出せるように同じような体験をもった人が集える安心した場所が必要だということを強く感じました。このような場を設定してください本当にありがとうございました。また「思いを知る」というこの場に参加させていただきたいと思います。

スタッフ総評
脳梗塞リハビリ研究会 大西 千恵子

2015年5月23日土曜日に、東京都中央区にあるデイサービス・アルクル湊の施設をお借りして、第一回脳梗塞リハビリ研究会の集いを開催しました。参加者5名、ご家族、ご友人4名、スタッフ7名のアットホームな集まりになりました。

言語聴覚士の市毛先生より、専門的な立場からお話しをいただきました。脳梗塞における後遺症の現実や自宅でできる簡単なリハビリなどをご指導いただきました。回復期までのリハビリはもちろん、数年経過後のリハビリについても緩やかな改善がみられ、前向きに「頑張る」、「諦めない」気持ちが大切だというお話には意欲が湧いたのではないでしょうか。

そして参加者の皆様には、これまでの経験や思いを、ほんの少しですがお話しいただくことができました。その思いに共感する別の参加者がいたり、初めて触れる感情に理解を深めたスタッフがいたり、会場にいる人達の気持ちが一つになるのを感じました。人の心を100%理解することは不可能ですが、理解しようとする「努力」を忘れてはいけないし、そしてその「努力」をしてくれる人をまた、大事にしていく心が、より深い理解につながるのではないかと思います。そのような思いが会場の一体感を創ったのかも知れません。

今回の集いで、一人では乗り越えられないことがあること、一人で乗り越えなくて良いのだということ、誰もが一人じゃないということ、それら一つでも我々スタッフを含め、参加者の皆様に気付いていただければ、今回の集いは成功だったと言えるのではないでしょうか。
我々の活動では、一気にたくさんの階段を駆け上ることはできませんが、一段一段確実に登れるよう、そして時に階段を降りなければならない時に、互いに支え合える活動にしていけたらと思っております。参加者はもちろん、ご家族、スタッフ、そして活動に関わる全ての方々に、大切に育て頂けますと幸いです。

脳梗塞リハビリ研究会では、今後も「集い」を定期的に開催し、
脳梗塞の後遺症を背景としたご本人、及びご家族のみなさま同士がお悩みを語り合い、同じような仲間がいることに気づき、
お互いに励まし合える有意義な場の提供をしていたきたいと考えております。